砂沼サンビーチの歳出について考えた
前回は、砂沼サンビーチの赤字について考えました。
平成30年度砂沼サンビーチの決算で約1,600万円の赤字があったことが分かりました。
今回は、砂沼サンビーチにどのような歳出があったのかを考えます。
平成30年度砂沼サンビーチの歳出
平成30年度砂沼サンビーチの歳出について、下妻市のホームページに一部資料がありました。
砂沼サンビーチの歳出は、大きく2つに分けて考えられていたようです。
プール施設運営のプール委託事業と、プール施設管理のプール工事事業の2つです。
平成30年度プール委託事業の歳出
まずは、プール委託事業の歳出から見ていきましょう。
プール開園期間が平成30年7月14日から9月2日まで。
プール管理委託業務が約3,400万円。
これは、砂沼サンビーチ営業中の主な管理、プール監視や、救護、放送、入場受付、プール水槽清掃などの業務が含まれています。
続いて、建物総合管理委託が約1,100万円。
砂沼サンビーチが始まる前の、プール場内事前清掃、設営・撤去、ボイラー保守、ゴミ運搬・清掃などが含まれます。
その他、水処理機器運転管理委託が約1,000万円、警備業務が約500万円、植栽管理が約400万円。
これらを合計すると約6,400万円となります。
砂沼サンビーチを営業していくならば避けられない出費ですね。
平成30年度プール工事事業の歳出
次は、プール工事事業の歳出を見ていきます。
機械設備施設修繕工事に約500万円、建築物改修工事に約300万円。
合計800万円の支出になります。
管理委託費と比べると、思ったよりも少ないかなと感じます。
採算がとれなくなっている砂沼サンビーチに対して、最低限の修繕工事のみで乗り切ろうと考えていたのだと思います。
平成28年度プール工事事業費の歳出
ここで平成28年度プール工事事業費と比べてみましょう。
平成28年度はプールも、機械設備も大きな修繕を行ったようで、約2,700万円の支出がありました。
砂沼サンビーチは施設が老朽化していたため、定期的な修繕工事が入り、工事費の支出が重くのしかかっていました。
平成28年度砂沼サンビーチの歳入内訳
平成30年度工事費800万円と、平成28年度工事費2,700万円で1,900万円の差があります。
平成28年度はどうしてこの工事費が捻出できたのでしょうか。
平成28年度砂沼サンビーチの歳出内訳を確認してみます。
事業収入が予算よりも2,800万円少なかったことが分かります。
事業収入を補填するために、前年度繰越金が6,200万円あてられています。
入園料などの収入が少ない中で、大きな修繕工事が必要であったために繰越金という貯金を切り崩さなければなりませんでした。
貯金を切り崩していった結果、平成29年度には下妻市から2,000万円の繰入金が必要となりました。
このままの経営状態では、砂沼サンビーチの存続は難しいという局面になっていたと思われます。
そして平成30年度の営業を持って、砂沼サンビーチの閉業が決まりました。
次は、入場客数と事業収入の関係について考えたいと思います。
また長くなってきたので、次に続きます。